ボン教のゾクチェン
Bonpo Dzogchen lineages
བོན་གྱི་རྫོགས་པ་ཆེན་པོ
ボン教ゾクチェンの教えは何百とありますが、そのどれも源をたどれば三つの源泉にたどり着くことが出来ます。『シャンシュン・ニェンギュ』は、その中でも最も重要な教えだと位置づけられていて、すべてのボン教ゾクチェンの母親だとされています。『アティ』は実践的な内容で、加行、ツァルン、夢のヨーガ等が、コンパクトに収められています。
8世紀に成立した『シャンシュン・ニェンギュ』も、13世紀に成立した『アティ』も、テクチューやトゥガル(トゥゲル)と言った間接的な方法に依らず、直接ゾクチェンのありのままの境地を目指す、古来のスタイルそのままのクラシックなボン教ゾクチェンの優れた教えです。
こうしたボン教ゾクチェンは新たに発掘されたテルマ(埋蔵経)ではなく、ボン教全体の屋台骨を形成している経部(カンギュル:ブッダの言葉)や論部(テンギュル:注釈書)に属す特徴を持っています。
シャルザ・リンポチェの『智恵のエッセンス』(『クンサン・ニンティク』)では、テクチューやトゥガルと言った比較的新しい方法を用いていますが、『シャンシュン・ニェンギュ』や『アティ』をその背景としています。
ボン教ゾクチェンのちいさな瞑想教室では、手を加えることない元々の根本経典を学び、実践していくことが重要だと考えます。一番重要な大本を捉えることが出来れば、他の体系を理解することも難しいことではないと思うからです。