読んでみてと勧められて、この本を読みはじめました。
著者はチベット仏教ニンマ派の巨人ラマ、ディルゴ・ケンツェ・リンポチェ。
私は偏ることなく、よくチベット仏教の本も読んでいます。
本書では顕教・密教・ゾクチェンの見解と瞑想の観点から、観音菩薩の六音節真言(つまりオム・マニ・ペメ・フムのこと)が解説されています。
ゾクチェンについての言及が少ないのが残念。
マハムードラーについては、ページが割かれていて、記述も分かりやすい。でもこれで分かった気になるのは早計ですが。
特に心に残った文をあげると、以下の二つ。
「思考ひとつひとつを追うのは、撒餌に走りよる犬のようだ。ライオンは撒餌をまく人に迫るように、修行者は思考の源に向かうのだ」(大まかな訳)
「チベットでは迫害されていても秘密裏に瞑想を続けている。一方で、あなた方には瞑想を邪魔する存在はない」(大まかな訳)
入門書として認識されているようですが、テーブルいっぱいに豪華ディナーを広げたような、豪華すぎるくらいの内容でした。
日本語訳が出るといいですね~。
追記 この本の内容は既に『チベット仏教の神髄』に収録されているとご指摘を頂きました。日本語でも読めるんですね~。