ポンロプ・ティンレー・ニマ・リンポチェはボン教の総本山メンリ僧院の教育責任者です。深い学識に裏打ちされた穏やかな人柄のラマです。
彼の故郷は、チベット国境のすぐ手前のドルポ地域。辺境と言われるドルポの中でもさらに奥深くにあるツァルカ村です。このツァルカ村にはたくさんのボン教徒が住んでいます。
ある日その地域の役人から、クリニックを作れないか相談があったそうです。そこで彼は地域に住む人の生活向上のために立ち上がったのでした。この動画では「ドルポ・ツァルカ・クリニック・プロジェクト」について、彼自身が語っています。
内容の大意
「二年前に地域の役人から、ツァルカ村にクリニックを作る手助けをしてくれないかと相談がありました。その年二人の女性がお産のために命を落としていたのです。ツァルカ村には、病院もなければ、近代的な薬も手に入りませんでした」
「はじめ何から手をつけたらいいのか分かりませんでした。基金を創設したものの、クリニック創設には多額の資金が必要なことが分かりました。建築資材の多くはラバにのせて、ムスタンから一週間かけて運びました」
「木材はチベットで買い付けましたが、人の手で4~5日かけて運ぶと、輸送料が木材自体の値段の4・5倍にも跳ね上がりました」
「現在はツァルカ出身の数名の子供たちを学校に行かせています。ある少女にはチベット医学の教育を受けさせ、別の少女には西洋医学の学校で、看護の勉強をさせています」
「将来はもっと多くの子供をインドに呼び寄せ、高度な教育をうけさせるつもりです。数年後彼らが学校を卒業したら、ツァルカの村に帰っていくことでしょう」
こうした村人の福祉に尽力するのもチベットのラマの重要な仕事です。(ラマ達はほんとうに大変です。。。)ちなみに、慈悲深いボン教のチュウ行者の話をしてくれたのは、このラマです。