「サムリン僧院からのお知らせ」の続きです。
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心やさしい淑女と紳士の皆さま
私はネパールのドルポ地域にある、
サムリン僧院の系譜を守る学頭ラマです。
僧院の建物を修復するための援助をお願いしたいと思います。
現在ドルポはネパール領ですが、完全なチベット文化圏です。
ツェチュ・ニェルンガ本堂では、
チベット歴の10日と25日に供養が行われます。
しかし、その木製の天井が崩壊してしまったため、
石かブリキの屋根で葺き直したいと思います。
こうした資材は陸送費に大変な費用がかかるようです。こちらも。
また仏塔(礼拝堂として建てられたドーム型の建物)が17基あり、
その中には遺品が収蔵されています。
その内の7基の仏塔に関しては、
ロシア人の友人の援助のおかげで、
修復できました。
シェーラッブ・テンジン師はロシアで人気を集めているそうです。
残りの10つの仏塔に関しては、
修理する必要があります。
またマントラを彫り込んだ大量の石もあり、
その面積は1エーカーにも達します。
寺院を取り囲む参道に沿って、
そうしたマティ石を台にして並べ置きたいと思っています。
マティ石とはボン教の経文を刻んだ石のこと。
本堂には経典やタンカ(仏画)が収蔵され、
その壁はフレスコ画で装飾されています。
雨や雪がぽたぽたたれて、
こうした文化財を危険にさらしています。
僧院の壁画の中には古いものもあるようです。
その本堂は800年の古さで、
私が代表するヤントン氏族のはじまりである、
密教の達人によって創建されました。
僧院はネパールのドルポ地域ビジャール谷に位置しています。
ビジャール谷はとても貧しい地域だそうです。
本堂は地域の人々がボン教を信仰する施設で、
生者と死者の為の供養が執り行われています。
そしてボン教の本尊や護法神を祭る、
定期的な儀礼が実践されています。
こうした宗教施設は地域コミュニティーの中心です。
そういった経緯で、
皆さんに寄付をお願いして、
建物や遺品だけでなく、
地域の生活様式と心を守り抜きたいと思っています。
ラマの仕事は法話だけに留まりません。
地域の生活様式を守るのもラマ達の仕事。
ホントに大変なお仕事なのです。
このことを皆さんに知って頂くのが、
今回のブログのテーマでした。
以上、終わり。